まず、ダメージの確認です。 ダメージ(亀裂)にはいくつもの破損があり、その破損によって修理方法や圧入する樹脂が変わって来ます。 ピックでプレッシャーを与える事によって、見えなかった薄く隠れた亀裂の確認が出来ます。 どこにどんな角度で亀裂が入っているのか、どんな衝撃点を持っているのかここで完全に把握します。
とても重要かつ、慎重に作業しなければいけない工程です。 砕け散った衝撃点をドリルによって綺麗にします。 同時に、不純物を取り除き、圧入する樹脂の経路の確保、最後に衝撃点を埋める樹脂の為に「アシ付け」の意味もあります。 破損の種類によっては、このドリルドをしないものも有ります。
ドリルドによって出たガラス粉を完全に除去します。 ドリルドした衝撃点は若干大きくなりますが強度には影響有りません。
圧入する樹脂は紫外線によって硬化します。 よって作業場内に紫外線が入らない様にブラインドをおろします。 さて!!インジェクターのセットです。 このインジェクターの中には圧入する樹脂が入っています。 この樹脂はガラス色に合わせた色の付いた樹脂、その時の気温に適した粘度の樹脂と数種類あります。
亀裂内に入ってしまった空気、水分を抜き取ります。 インジェクターの取手部分が引き上げてあるのがお判りでしょうか? 完全に亀裂内の空気を吸い出す迄この状態で放置します。 完全に空気を抜き亀裂内を真空状態に出来ないと、後の作業工程に大きく影響してしまいます。 このインジェクターは本国アメリカでシェアNo1のとても優れたインジェクターです。 ポンプ式や機械式に比べて最高の吸引能力を持っています。
亀裂内に樹脂を圧入します。 インジェクターの取手部分が引き下げてあるのがお判りでしょうか? 樹脂に圧力を掛けて衝撃点から亀裂先端迄、樹脂を流し込んでいきます。 この作業ですべての亀裂に樹脂が入る訳では有りません。 インジェクターの圧力で亀裂に樹脂が入らない場合、この場ではご説明は控えさせて頂きますが、技を使って完全に浸透させます。
亀裂内に樹脂がすべて行き渡った事を確認したら、樹脂を固める工程に移ります。 先にもご説明した通り、圧入した樹脂は紫外線で硬化する様になっています。 UVランプにて紫外線を亀裂に当て強制的に硬化させます。 完全硬化後インジェクターを外します。
砕け散った(ドリルドした)衝撃点を埋める工程です。 亀裂内に圧入した樹脂と違う粘度の高い樹脂にて穴を埋めます。 こちらもまた、UVランプで強制硬化。
ガラス表面に付いた硬化した余分な樹脂をガラスとツライチになる様にブレードで削ります。 そして、衝撃点の樹脂を専用コンパウンドで磨きます。
いかがでしょうか? 亀裂に樹脂が満たされ硬化させる事によって抜群に強度が上がります。 亀裂によって光りが屈折して目立っていた亀裂も、光りが透過するようになり御覧の様に目立たなくなります。 最後に保証書に署名、捺印して終了です。